定年後

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こんにちは、
よしおです。

定年制については、いろんな考え方がありますが、個人的には定年制には賛成です。
理由としては、ゴールが見えるからです。

ゴールが見えることによって、逆算して現在の自分の状況を考え、そこからすべき行動がわかるからです。

また、定年後に自由になれるという夢も抱けます。

なんて、カッコいいことを言っても、現実は、なかなか思うように行かないものです。

だいたい、若い頃は定年について考えもしませんでした。
僕が入社した1982年では、入社した会社の要綱には定年55歳と明記されていました。

ただ、入社して分かったのは、若い人が多い会社で、社員の平均年齢が27歳ということで、社長も50代前半だったことから、定年を迎えた人はいなかったようです。

そんなことで定年なんて遠い、遠い先の話としてしか考えられませんでした。

今日は、定年と定年後に関して考えたいと思います。

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定年後 悲哀からドタバタ

定年という言葉の印象は、時代と共に違います。

昭和から平成に時代が変わる頃、濡れ落葉という言葉が流行語となりました。

今から30年以上前の1989年の流行語で、定年となり趣味も仲間もいないので、妻を頼り切り、妻の行くところどこにでも付いてくる夫を揶揄した言葉でした。

当時の定年の年齢は、1984年の男女雇用機会均等法により、企業に対して60歳定年が努力義務となっていた時代でしたが、まだ55歳定年の企業も多く、僕が在籍していた会社もまで55歳定年でした。

つまり60歳までに定年になる人が多かったわけで、それを考えると妻の後追いしか出来ないとは哀しいものがあります。

そして、1994年には、60歳未満の定年が禁止される法律が制定されました(1998年施行)。その直後に話題になりドラマ化もされたのが重松清作『定年ゴジラ』でした。

高度成長期に造られたニュータウンとその時代を支えたサラリーマンたちが、自分たちも定年になり、ニュータウンの老化と合わせて、これからの居場所を探し求める小説です。

ここでも定年になったおじさんたちの悲哀がありました。

作者の重松氏は、自分の父親の姿をネタに書いた小説だそうです。
重松氏は、僕より4歳年下ですが、父親は同世代のようです。

次は内館牧子作『終わった人』。この長編小説は、2014年から新聞に連載されましたが、主人公の年齢が、63歳で生年が不明ですが、多分団塊の世代と思われます。

作者の内館氏も1948年生まれの団塊の世代。

大量に定年退職者が増え、年金の問題も絡んで、国の今後を考えるきっかけとなった時代です。

ここでは、濡れ落葉や定年ゴジラ的な悲哀はあまりなく、むしろエリートサラリーマンだった主人公が織りなすドタバタ物語です。

映画では、舘ひろしと黒木瞳が夫婦役でしたが、カッコいい舘ひろしが、意外とコメディでもいい演技の佳作でした。

そして2017年に楠木新著『定年後』が出版されました。

副題が、「50歳からの生き方、終わり方」。

作者の楠木新氏は、1954年生まれで僕より3歳年上。


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定年後 本

『定年後』の著者、楠木新氏は、大手生命保険会社に勤務し、2015年に定年退職しています。つまり長らくサラリーマン生活をされて、途中、体調を崩し、休職もされています。

僕は、出版されてすぐ読みました。ちょうど定年直前の頃でした。

読んだ当時は、内容が多岐にわたり、結論を避けているようで、なんかよくわからなかったというのが正直な印象でした。

ただ、その後、内容を拾い読みしていくうちに、これはなかなか読者を考えさせるいい本だな、と感じるようになりました。

それは、この新書版218ページの内容は、楠木氏の膨大な、取材のエッセンスでしかないのだな、と思うようになったからです。

ちょっとしたフレーズにも多くの意味を含んでいると感じるようになりました。
定年後をテーマにした本としては『定年後』はなかなかの力作です。

例えば、それはプロローグにもあります。

知人が、定年になり、再雇用を申請したところ、意に反して、勤務条件が、週3日の20時間程度で、社会保険も付かないというものだったそうです。

知人は、そんな条件ならと退職を考えたそうですが、いろいろ考えた末、会社に残ることにしました。

そして再雇用での収入をベースに、新たにアルバイトを1つか2つ探すことにしたそうです。

そんなことがさらっと書かれているのですが、これは重要なことです。

定年後の再雇用で、収入が下がる、勤務時間が短くなると嘆く人が多いようですが、逆に考えれば自由な時間が増えるわけで、好きな副業やアルバイトなどの兼業で収入をある程度賄うことが出来るわけです。

また「定年」と「隠居」の違いなども興味深く読みました。

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最後に

僕は、定年を待ち遠しく思って人間です。
特に55歳くらいから、定年後にはあれしよう、これしようと色々思いを巡らしていました。

現時点では、持った通りにはなかなか進んでいませんが、そんなことはどうでもいいのです。

自由に動けることが嬉しいのです。

会社組織では、37年間お世話になりましたが、理不尽なこと嫌なことも多くありました。残業、休日出勤が常態化し、1ヶ月間で100時間以上時間外勤務が続いた期間もありました。

よく生き残って定年を迎えられたと丈夫に生んでくれた親に感謝したものです。

最後に、これから定年を迎える人、すでに迎えた人に次の言葉を送ります。

どんなに黄金を積まれても決して自由を売り渡してはならない

クロアチアの城壁に刻まれている言葉だそうで、自身、定年後に経済コンサルタントとして活躍している大江英樹氏の著書に書かれています。

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